• 6月10日(水)続き(2)

    ボルドーに着いたのは夜の7時位だったがやはり未だ太陽は出ている。
    しかし以外と寒いではないか。話が違うぞ。果たしてこれはこの土地特有の気候に因るものかそれとも時間のせいか。いやブリュッセルでの同時間より寒く感じる事を考えると単に時間のせいとも言えないだろう。今度はちゃんと地図を見て歩いたのだが駅からは近い筈のホテルになかなか着かない。地図を見直してみると東西を間違えてホテルとは反対の方向に歩いてしまっていたようだ。引き返して行くと道中、怪しい男が声を掛けてくる、フランス語で何を言っているのか良く分からないがカメラを見せてくれとか撮ってやるから貸してくれみたいな事を言っているようだ。強引にカメラを持って行こうとするので「ノン」と私が言う。それでも持って行こうとするので彼の手を振り解き
    [Non.Get a way!」
    と睨み付けて言うと彼は渋々立ち去って行った。
    私も振り返らず彼とは反対方向にやや早足で歩きながらも後ろの気配にはかなり慎重に気を配って立ち去った。結局事無きを得た。が正直かなりびびっていたがこういう時は弱味を見せる訳にはいかないだろう。以外と物騒じゃないか。

    しかし何でこんなボロカメラを・・・あ、そうか。私のカメラは10年ぐらい前のヤツで意外とごつくその形は一見ビデオカメラに見えなくもない。
    おそらく彼はこのカメラをビデオカメラと勘違いしたのだろう。
    はっきり言って大した機能も無いくせに大きくて重いので買い換えたいのだが未だ一応動くし金も無いので仕方なく使い続けている。無きゃ無いで困るしね。

    今度はちゃんとホテルの方向に歩いて行く。が、またしてもホテルに着かない。
    バス停で地図を見ていると若者が声を掛けてくる。言葉は分からないが助けてくれようとしているらしい。地図を見せると一生懸命探してくれる、どうやらどうやら通り過ぎていたようだ
    20mも引き返すと目的のホテルは在った。

    予想通りやや小さめのそのホテルに入ると従業員は丁度食事中のようだ。彼等は英語が分からないようで「どおするべえ」と私もちょっと戸惑ったが彼等が呼んで来た太った御主人は何とか喋れるようだ。
    お互い片言だが東京で予約した時のFAXを見せ予約の確認をすると以外と簡単に話は付いた。

    ボルドーで泊まったこの安ホテルはブリュッセルで泊まったそれと違い清潔で怪しさは無い。何故かベッドはセミダブルで広くて良いのだが唯一の欠点としてベッドのスプリングがややへたっていたが大した事は無かった。

    夕食は欧州に来て初めてまともなレストランで食った。
    言葉は勿論、食事における流儀、こちらのレストランでは何をどう注文すれば良いのか全く分からないのだがたまたま最初のウェイターが英語が喋れたので助かった。
    だが何を注文すれば良いのかは良く分からずウェイターにあんたは何が好きだ?と聞くと「私は今腹が減ってるから何でも食う」とふざけた答えをする。仕方ないので適当に私はシーフードが好きだからそれのあるムニュ(コース)とワインと水を頼んだ。料理は確かに美味かったのだがこちらの料理はいかにも太りそうな物ばかりである。道を行く人の多くが太っているのも納得がいった。

    ホテルに戻ると丁度テレビでモロッコvsノルウェーの試合を放送していた。
    腹一杯になった眠気もサッカーを見ていると目が覚めてくる。
    ハーフタイムにシャワーを浴びて後半も見終わると丁度寝るのに良い時間となっていた。

    この辺で今日はお休みなさい。 


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