■蹴球徒然’2000■
  • 00年9月24日(一日遅れ)

    負けた負けた負けた!
    当然シドニー五輪のことである。
    マスコミは「メダル」とか散々言っていたが、結果はベスト8で
    終わってしまった。
    まあ、実力通りというのが私の正直な感想である。
    前回アトランタ大会を上回る成績だったのは救いといえば救いか。
    確かにあの時のチームよりは強かったとは思うが、二勝しかしていない
    という点で見れば一緒の成績と言えなくもない。

    まずは負けた対アメリカ戦を中心に私なりの総括をしてみようと思う。
    最後のPK戦で中田がPKを外したのは別としても、今回の中田は
    調子が悪かったようだ。
    守備やポジショニングの妙は魅せたものの、とにかくキックの精度に
    問題があった。
    得意のスルーパスはFWに合わせることが出来ずにラインを割ることも
    少なくなく、クロスパスも相手の頭上を遙かに越えることがしばしばだった。
    だが、彼を替えて他の選手を入れるにしても「誰を?」となる。
    不調とは言え、彼に代わる選手は居ないのだ。

    対アメリカ戦で先制点をあげた柳沢は大会を通して最も矢面に立った
    選手ではないだろうか?
    同じFWの高原が開幕戦の南アフリカ戦で2得点し、他にも強引な
    突破でその存在感を大いにアピールしたのに比べ、質の高いポジショニング
    フリーランニングでスペースを作ることで大いに貢献はしたものの
    シュートは枠に飛ばず、と言うよりシュート自体が少ないというFWと
    しては物足りなさを感じさせた。
    私は柳沢のクレバーなプレースタイルは大好きなのだが、今回の大会は
    はっきり言って高原のワントップで戦うべきではないかとず〜〜〜〜っと
    考えていた。

    さて、4戦通しての問題だが、大会前の壮行試合、対クウェート、モロッコ
    戦で非常にバランス良く機能し、トルシエ自身も「本大会はワントップでいく」
    とまで言っていたのに何故本大会ではツートップに戻して、しかもあからさまに
    ”当たっていない”柳沢をスターティングイレブンに起用し続けたのだろうか?
    これは前線からの守備を重要視したからに他ならない。
    ツートップだと最前線に二人居るために相手が最終ラインでボールを
    回している時のパスコースの限定がやりやすいのである。
    また、柳沢は鹿島仕込みでそういったプレーを得意としている。
    こういったことが4戦を通してツートップを選択した理由と言えよう。
    分かりやすく言えば守備重視のツートップ、攻撃重視のワントップと
    いうことである。

    また、南アフリカ戦からDFラインを壮行試合までの布陣
    左から中田、松田(宮本)、森岡とせず、左から中田、森岡、中沢とした。
    これはテストマッチを含めても初めての布陣ではないだろうか?
    おそらく中沢の身体能力を重視したものと思える。
    中田、森岡、宮本、松田はいずれも守備力だけでなく前線へのフィードも
    定評があるが、中沢に限ってはその限りではないからだ。

    以上のように五輪本番バージョンの布陣はとにかく守備重視の腰の引けた
    ものであったと判断出来る。
    また、トルシエの采配も非常に腰が引けたもので、特に最後の対アメリカ戦
    等は最たるものであったと言えよう。
    一番分かりやすい例を挙げれば、攻撃のジョーカーとも言える本山を何故
    起用しなかったか。
    後半も半ばに差し掛かると日本は勿論だが、アメリカの足も止まってきて
    中盤には大きなスペースがあった。
    ここに生きのいい本山を投入すれば彼の持ち味であるスピードのあるドリブルが
    生きる最も良い状況だったのである。
    また、これまではこういった用兵はトルシエJAPANの定番でさえあったのだ。
    おそらく私を含め日本中のサッカーファンが「本山出せ〜〜〜〜!」と
    テレビの前で思ったことであろう。
    勿論これだけが敗因では無いと思うが、持てるカードを出し尽くすことなく
    敗れた結果に「全力を出しました」等と誰が納得するだろうか?
    PKを外した中田、二度の超決定機を外した高原、そして終始ジャッジの基準が
    不明瞭であった審判陣(トドメはロスタイムのPK、私はあのPKはちょっと厳しい
    と思っている。)等々直接の敗因は数々あるが、私はトルシエの采配に最大の
    不満を感じた。

    オリンピックを観る直前に欧州選手権を観たせいだろうか?
    大会のレベルははっきり言って低かった。
    まだ準決勝、決勝とあるので勿論全ての試合を観たわけではない。
    が、それでも私が観たどの試合もパスのスピード、精度、ともにJリーグと
    大差なく、リーガ・エスパニョーラ、セリエA、プレミアリーグ等の上位チームなら
    楽に優勝できてしまうのではないだろうか?
    と思えるほどだ。
    優勝候補筆頭と言われたブラジルも見かけ倒しで結局日本と同じくベスト8で
    敗退してしまった。
    恐らくこの敗退でブラジル代表監督のルシェンブルゴはクビだろう。

    話は戻って、アメリカ戦である。
    確かに負けはしたが勝てる相手だったと思う。
    十回戦えば六回は勝てる相手、それが私のアメリカ五輪代表に対する感想であった。
    確かにフィジカルは日本より明らかに上だが、サッカーを知っている、気の利いた
    プレーが出来ると言う点では明らかに日本の方が上を行っていた。
    確かに組織力はあった。攻撃における約束事は日本よりしっかりと
    なされていたようだ。
    まあ、この辺は監督の責任だが…
    何よりも精神力で日本は負けたと思う。前の試合で後半はブラジル相手に攻め
    まくったという自信がサッカー後進国アメリカをなめてしまっていたように
    前半のプレーの端々から感じられた。
    後進国と言う点では日本だって一緒なのに…である。
    延長戦に入ってアメリカの選手は足をつらせていた。
    それでも日本より運動量はあったのだ。
    選手の交代枠も使い切りそれこそ打てる手は全て打って勝利をもぎ取りに来ていた。
    対して日本は打てる手も打つべき手も打たず、手をこまねいていた。

    「良い試合であった」が、それは日本語輪代表に向けられる言葉ではなく、
    見事に持てる力全てを出し尽くしたアメリカ五輪代表チームに向けられるべき言葉で
    あろう。
    いや、彼らに対しそんな言葉は無用だろう。「おめでとう、素晴らしかった」
    これで充分だ。

    最後にトルシエJAPANの象徴とも言えるフラットスリーという戦術について
    言っておこう。
    一般的なツートップのチームに対してはなかなか有効な戦術で、私も結構好きなのだが
    どうも今回アメリカが後半スクランブルを掛けてきた時のように3トップを敷いてきた
    チームに対しての対処法があまりに心許ない。
    欧州選手権を見た限り、世界の潮流はほぼ3トップに近い1トップへとより攻撃的に
    シフトしているようだ。
    そんな中、日本の、と言うよりトルシエの戦術は時代にそぐわないように感じられた。
    フランスW杯の時にも思ったのだが最終ラインは4人というのがもっとも
    バランスが良く、融通も利くように思える。
    事実欧州選手権でも上位チームはどこも4バックを敷いていた。
    フランス、オランダ、ポルトガルといった国々がやっていたような左右にやや
    引き気味のウィングをおいたワントップという攻撃的な布陣を敷いたチームとは
    今回の五輪では対戦することが無かったが、それに近い布陣を敷いてきた南アフリカ
    には左右のサイドハーフが引っ張られ最悪の5バックとなってしまい、後手を踏み
    攻撃の形が全く作れなくなってしまっていた。
    これは98年のW杯の時の状況と全く変わっていない。
    もっと酷い言い方をすれば全く進歩していないとさえ言えるのではないだろうか?
    2002年はもうすぐである…

  • 00年6月5日

    どっしぇ〜〜〜〜!
    観たかい?
    ハッサン国王杯での日本!
    例えイマイチ調子が悪かったとはいえ相手はあの世界チャンピオン
    フランスだぜ。
    PK戦で負けたものの90分を引き分けてみせたのは
    びっくり以外の何物ではない!

    この試合とにかくセレッソ大阪の牽引車とも言える西沢&森島が
    効いていた!
    特にワントップを張った西沢が世界トップクラスのDFを相手に
    しっかりとしたポストプレーをして見せたのはここ数年
    見掛けられなかった光景だ。
    そしてゴールもこの二人から生まれた。
    森島のゴールは上手くマーカーの裏をとった動きの見事さと
    ゴールへの執念を感じさせる素晴らしい物だ。
    そして西沢のゴールはもう、見事の一言である!
    左サイドでボールをキープしていた三浦から文字通りピンポイントで
    送られてきたクロスボールを逆サイドに走り込んだ西沢が
    右足のダイレクトでニアサイドを突き破った、ここ数年の
    代表の試合では最も美しいゴールの一つと言える物では無いだろうか?

    勿論素晴らしかったのは彼らだけではない。
    この試合ではこれまでのツートップから西沢のワントップと
    システムが変わったせいか、実に中田も生きていた。
    他の選手の役割が明確というか、すっきりした形が出来ていた。
    相手が強国フランスだったのに何故か引き過ぎることもなく
    実に攻守のバランスが取れていた。
    守るときに守り、攻めるときに攻めるというある意味当たり前の
    ことが実にしっかりと出来ていたのだ。
    こんなに気持ちよく代表の試合を観れたのは何年ぶりだろうか?
    ここ数年日本代表の攻撃は左サイドに偏りがちで、攻撃に持ち味が
    あるはずの伊藤が出場した試合でもなかなか彼が攻撃面で生かされた
    姿を見ることは無かったのだが、今回は攻撃でも思い切りの良い
    プレーを見せてくれた。
    名波&稲本も気の利いたポジショニングでフランス攻撃陣の
    決定的なパスを封じただけでなく、後半には決定的なシュートを
    放つなど攻撃でも見せ場を作ってみせてくれた。
    中村はやや、パスの精度がいつもより低く本来の力からすれば
    やや物足りなかったが、気の利いてパスで相変わらずのセンスを
    感じさせてくれた。
    そしてその中村から替わった三浦は西沢の得点をお膳立てした
    芸術的なセンタリング以外ではややセンタリング精度を欠いたのは
    ちょっと残念だった。
    ドリブルの突破ではかなり有効にフランスに驚異を与え
    サイドでボールを持てばかなりの確率でセンタリングまで
    持ち込めていたのだから・・・
    私としてはもう少し早いタイミングで出場させた方が
    良かったのではないだろうか?
    むしろスタメンで出場させても良かったかも知れないとさえ感じた。
    彼のような生粋のサイドプレーヤーは森島と並び、スピードのある
    ドリブラーは最高のアクセントになると思われるから・・・・

    そして3バックは予想以上に上手く機能していた。
    森岡、大岩のどちらかがサイドに引っぱり出されても残る二人が
    しっかりと中を守っていたので予想以上に安定していた。
    失点はいずれも同じようなパターンで、一発のパスで裏をとられて
    という形の物だった。
    これはある意味仕方のない失点だったかも知れない。
    中盤が攻めに出たときにボールを奪われてカウンターのカウンター
    という日本が、というよりどこのチームでも最もよくやられる
    パターンからのものである。
    こういったところは度々言われる「経験不足」からくるのかなぁ?
    ってところがある。
    GKの楢崎はこの日相変わらずの安定であった。
    ライバルの川口とはタイプが違うが安心して見てられる。

    この試合で一番良かったのはフォローが早かったこと。
    ディフェンス面でのそれは今までも見ることが出来たが今日は
    攻撃面でもそれを見ることが出来たのは嬉しかった。
    試合の内容は久しぶりに素晴らしい物であったが結果として
    あまり嬉しくない事態となりそうな気がする。
    それは「トルシエ続投」である。
    このあからさまに能力の欠いた指揮官をこれ以上代表監督に
    することは2002のW杯での恥に繋がるのではないかと
    懸念している。
    優柔不断の協会首脳を擁するこの国のサッカー界にとっては
    それは必然なのかも知れないが・・・・
    私を始めとしたファンは泣いているよ。

    とは言え今日は素直に喜ぶことにしよう。
    乾杯!

  • 00年4月5日

    我が鹿島アントラーズが負けた。
    しかも嫌〜〜〜〜な負け方!
    を二回も続けて!!
    4月1日の対横浜Fマリノス戦は友人と国立競技場に
    観戦に行ったのだが、そこで前半は完全に試合を支配して
    見せたのだが試合も残り20分程になって中盤の足が止まり
    そこを途中交代で入った横浜の永井にドリブルで突かれ
    彼に注意が行ったことにより横浜で最も危険な選手中村俊輔に
    フリーのスペースが出来るという横浜にとって最高の展開を
    与えてしまった。
    その結果が試合の7割を支配しながらの逆転負けであった。

    そして今日の対清水戦である。
    この試合はテレビ観戦だが、もう殆ど終始清水ペースであった。
    攻守に渡って組織の完成度の違いを見せつけられた。
    とにかくパス回しの効率で清水に一日の長があるようだ。
    先日の対横浜戦では明らかにチームとしてのまとまりで横浜を
    上回っていた鹿島だったが、清水をあいてにすると見劣りがする。
    守備のプレスの掛け方にしてもサントス、大榎、沢登といった
    ベテラン勢の気の利いたポジショニング。
    小笠原も確かに上手いのだが、いわゆる気の利いたプレーという
    点ではまだまだ若いと言わざるを得ないだろう。

    結局先制点を奪ったにも関わらず逆転され二連敗となってしまった。
    戸田の逆転ゴールは見事だったがその前の清水の明かな反則を
    審判が見過ごしたのはどうにも納得がいかない。
    が、敗北という結果は試合内容を見れば充分納得のいくものである。
    同点に追いつかれてからの鹿島にはどうも点を取る気配
    というモノが感じられなかったからだ。
    昨年から続く粘りの欠如というものは未だに続いているようだ。
    かつて強かった頃の鹿島は相手にボールを支配されてでも最後の
    一線を越えさせることなく粘り勝つというしぶとさこそが売り
    だった筈である。
    これを取り戻すのは果たして何時になるのだろうか?

    もう一つ気に掛かったのはこの二連敗の間ビスマルクの調子が
    イマイチに感じられたことである。
    彼の調子が悪いと鹿島の破壊力はとたんに落ちてしまう。
    ベベットが本領を発揮するまでにはまだ少し時間が掛かりそうだし
    平瀬も一時に比べれば調子を落としている。
    ただ、救いは柳沢がかつての輝きを取り戻しつつあるということだ。
    正確な技術、ダイナミックな動き、瞬間的なスピードとクレバーな
    ポジショニング!
    あとはフィニッシュだけだ。
    今日も一本ベベットから絶対に決めなければいけないような最高の
    ”ごっつぁんパス”が来たのにキーパーに弾き出されてしまった。
    一応枠に入ったいいシュートではあったけど、まだ思い切りが
    良くないような気がするのは気のせいでは無いだろう。
    対横浜戦でベベットが見せたGKのタイミングを外したシンプルな
    シュートを見習って欲しいモノだ。
    技術的には問題ないんだから・・・・

  • 00年3月11日

    Jリーグが開幕した。
    代表の試合は昨年何度か行ったのだがJリーグを観戦したのは
    久しぶりだった。
    カードは我が鹿島アントラーズ対今年多くの専門家から優勝候補No.1
    と言われる名古屋グランパスエイトだ。
    開幕戦の中では柏vs磐田と並ぶ注目カードだろう!

    いつもより少しだけ早起きして競技場に向かう。
    電車の中ではさほど気にならなかったが千駄ヶ谷の駅を降りると
    想像以上に寒いのに気付く。
    もう少し暖かい格好をしてくれば良かったな。
    なんて思ってもそれは後の祭りである。
    駅を出て最初に声を掛けてきたダフ屋からチケットを買う。
    さすがに人気の落ちたJリーグ、チケットも定価で買える。
    結構良い席だったのでちょっとラッキーかな?
    なんて思う。

    競技場についたのは試合開始にはまだ時間があったので近くの
    駐車場でやっているフリマを覗く。
    なかなか楽しいのだが”買いたい!”と思えるほどのモノは
    残念ながら見あたらず。
    適度に時間つぶしをして競技場の中に入る。
    丁度両チームのメンバーが紹介されるところだからタイミングは
    ばっちりである。
    まず名古屋の選手が紹介される。
    当然競技場の中では多くを占める鹿島サポーターからはブーイング。
    まあ、予想通りのメンバーである。
    そして控え選手の名前を見ると名古屋の選手層の薄さがちょっと
    気になるが、まあそれはそれで仕方ないかな?

    そして我が鹿島のメンバーが紹介されると・・・・
    !?
    この試合の目玉の一つとさえ言えるベベットの名前が控えにも
    無いじゃないか!
    と憤ったのは私だけではないだろう。

    しかし驚いたのは何故か試合前にアントニオ猪木が鹿島アントラーズの
    激励とやらにやって来たことだ!
    当然(?)競技場には”猪木ボンバイエ”が流れる。
    そして例のごとく「1・2・3・ダ〜〜〜〜ッ!!」である。
    鹿島サポーターも一緒になって「ダ〜〜〜〜ッ!」なんて
    やっていたからこれはこれで良いのかな?
    でも彼が「燃えてるか〜〜〜〜!?」って言ったのは何か
    嬉しかったな。
    松崎しげるの国歌斉唱の後試合は始まった。

    試合を見てまず感じたのが名古屋のチームが変わっていたこと。
    以前見られた淡泊さは影を潜め前線から積極的なディフェンスを
    仕掛けていたこと。
    そして何よりピクシーがその先頭に立っていた。
    やはり彼の戦う姿勢は気持ちがいい!
    一番技術がある選手が一番勝利に対して貪欲である。
    他の選手ももっと彼を見習うべきだろう。
    技術は勿論のことそれ以上にそのスピリットを・・・・

    元々タレントは揃っていたのだが昨年に比べ組織がしっかりしてきて
    バランスが良くなっているのが印象的である。
    このチームなら間違いなく優勝争いに絡んでくるだろう。
    スターティングイレブンのプレーだけでなく監督の采配も
    実に説得力のあるものであった。
    奈良橋とのサイドの差し合いで完全に主導権を握られていた平野を
    下げる辺りは実に冷静な判断だと想えた。
    ただ、彼に代わる選手がやや力不足だったのは監督も辛いところ
    であろうが・・・・

    対する鹿島はかつての「強い鹿島」を思い出させる強力なプレスが
    復活していたのが何より嬉しかった。
    とにかく本田、ビスマルクのベテラン陣が実に良いプレーを
    見せていた。
    奈良橋、相馬といった元代表陣もさすがと唸らせるポジショニングを
    披露!
    中盤の争いでは6割方鹿島が優勢であった。
    守備に関してはかつての強さを取り戻してはいたが攻撃に関しては
    まだかつての強さを取り戻しているとは言い難い。
    その大きな原因はやはり柳沢だろう。
    昨年に比べれば随分と良くなったが、まだかつての思い切りの良さは
    取り戻しているとは言い難い。
    とは言え今、売り出し中のツートップの相棒平瀬に比べれば
    動きの質で一枚も二枚も上であることは見ればよく分かった。
    あとは一昨年のように結果を出すだけだろう。
    彼が爆発すれば間違いなく鹿島は優勝出来ると自信を持って
    保証しよう。

    まあ、今日のような試合をしていればそうそう負けることはないだろう。
    少なくともかつての”しぶとい鹿島”は復活したように見えたのが
    今日の最大の収穫でした。

  • 00年2月16日

    仕事の都合でここ暫くテレビでもサッカーの日本代表戦を観ることが
    出来なかったが、久しぶりに観たのがアジアカップ予選の
    日本vsブルネイだった。
    ここ最近の日本代表は専門誌によると実に評判が良くない。
    一人退場者を出したメキシコにいいようにあしらわれてみたり
    格下の香港選抜に無得点で引き分けてみたり、このアジアカップ予選でも
    シンガポール相手に3点しか取れず、しかもその内容は散々なもので
    あったらしい。

    あまり期待しないでこの日本vsブルネイの試合を観たのだが
    開始わずか4分で中山がハットトリックを決めてしまった!
    これはもしかすると国際試合の最短記録でギネスブックに載るかも
    知れないなぁ、なんて思ったがそれ以上にびっくりしたのが
    ブルネイのザルディフェンスぶりだった。
    予想はしていたがこれほどとは・・・・
    間違いなく今年高校選手権で優勝した市立船橋の方が強いだろう。
    いや、それどころかこんなレベルでは地区予選さえ勝ち抜けないのでは
    ないだろうか?というレベルである。
    この相手なら今年記録が出た国際試合の最多得点差試合も不可能では
    無いだろう。
    等と思ってはみたが、やはりそこは日本代表。
    このハットトリックからぱたっと得点は止まってしまった。
    ブルネイのディフェンスはボールの近辺では一応プレッシャーを
    掛けるのだがポジショニングがバラバラでカズ、ゴンのツートップが
    ちょっとサイドに流れたり裏をとる動きをすれば簡単にマークを
    外されてしまうのだ。
    一応人数は居るのにそういった駆け引きというものにはびっくり
    するほどうぶである。

    しかし日本代表も誉められたものではない。
    1対1どころか日本代表のテクニシャン達なら二人三人相手でも
    楽に翻弄できる相手にも関わらず(実際キープしている時は
    それが出来ていた)ゴールに向かって強引に攻めていくという意志が
    観ていて伝わって来ない。
    何が不満かって言えばあれだけ二列目であれだけボールを回させて
    くれるのにそこから最前列に飛び出して行かないことだ。
    特に左サイドにポジションを取った平野辺りならそのパワーと
    スピードだけで充分にあの程度のDFラインは突破出来る。
    最低でもPKを取ることぐらいは出来るはずなのにそんな素振りさえ
    見せない。
    山のような決定機を外しまくったFW陣に次いで私に不満を
    感じさせた。

    対して最もこの試合で魅力を感じさせたのは中村である。
    行き詰まった状況を一発で変えるパスというのは彼の左足から
    出ることが多かったように見えた。
    現在、国内で最も攻撃に力を有するプレーヤーはこの中村
    なのではないだろうか?
    ただ、私が彼のプレーを観た時は殆どの場合中盤に比較的スペースが
    あったというのがちょっと引っ掛かるが・・・・
    肝心のプレッシャーの掛かったタイトな試合で彼がどの程度の
    パフォーマンスを発揮できるのかが今後注目したいところである。
    まあ、今最も”世界”を感じさせるプレーヤーであると自信を持って
    お勧めしよう。

    他にも稲本、中沢といった選手が度々最前線まで攻め上がり
    得点への意志を感じさせたがいずれも単発だったのはちょっと
    残念なところだ。
    後半も終わりに近付いた頃には中沢のオーバーラップもかなり
    有効であったが、それもある意味不甲斐ない攻撃陣への
    無言のメッセージだったのでは?なんて勘ぐってしまう。

    後半になるとブルネイの足も止まりサイドチェンジのパスが
    次々と決定機を作り出す。
    ・・・・と共に私の中にストレスが溜まって行く!
    あれだけの決定機を何故決めることが出来ないのか?
    何かプレーにゆとりが感じられない。

    結局試合は9ー0で勝利だったが実力差は20点も楽に取れる
    相手だったが・・・・いや、せめて15点は取って欲しかった。
    次の対マカオ戦も今回のように大量得点による勝利が
    予想される。
    が、こんな相手でははっきり言ってチームの力、監督の力を
    計る参考には全くならない。
    練習と考えても日本のいわゆる強豪と呼ばれる高校を相手に
    したほうがよっぽど歯ごたえがあるだろう。
    いい加減すっきりとした日本代表の試合を観てみたいものだ。

  • 00年1月13日

    昨年はここでは全然書き込んでなかったなぁ(笑)
    まあ、2000年初の書き込みは簡単なものでいこう。
    中田がペルージャからローマへの移籍が決まったらしい。
    ここ最近の彼の成長を見れば決してフロックではない。
    以前にも増して力強く、危険なプレーヤーとなった彼はペルージャの
    中では圧倒的な存在感を示し、名実共に大黒柱となっていた。
    時には・・・・というより多くの場合”浮いている”とさえ
    感じさせるほどに。
    ペルージャの中の彼をメディアは何度”孤軍奮闘”という言葉で
    表現しただろうか。
    間違いなくペルージャは昨年よりチームとして強くなった。
    昨年は中田以上の存在感を示していたラパイッチが調子を落として
    いるにも関わらず。
    原因はディフェンスが強化されたことと元フランス代表の右サイド
    アタッカー、バの存在が大きいだろう。
    そんな中でも中田は間違いなく昨年以上の存在感を示していた。

    AS.ローマ、このイタリアの首都を本拠地とする古豪は
    私の記憶では80年代にファルカン、トニーニョ・セレーゾといった
    ブラジル代表、ポーランドの超特急ボニエク、イタリア代表の
    コンティらを中心に優勝して以来中位をうろついていた中堅の
    ビッククラブ(この言い方も変な言い方だが)である。
    このチームに移籍するという話が現実味を帯びて報道されだして
    まず感じたのは「何故中田を求めるのだろうか?」である。
    中田と同じポジション、所謂1.5列目には若きイタリア代表の
    アーティスト、トッティが居るのである。
    彼はこのポジションでなら間違いなく世界でも屈指のプレーヤーである
    現在ローマのアタックはセリエAでも屈指だがその攻撃力はこの
    トッティに拠るところが少なくない。
    残念ながら中田はまだトッティと比べると見劣りするのだ。
    具体的には攻撃の引き出しの多さにおいてである。

    等と考えていたら記事によるとローマの監督カペッロは中田を
    ボランチ、つまり守備的MFで使うつもりらしい。
    それは実に納得のいくポジションである。
    中田はマスコミが盛んに使う”キラーパス”という言葉に代表される
    ようにその攻撃力に特徴があるのだが、以外に守備能力も高いのだ。
    以前から中田と対戦した欧州のプレーヤーが一様に言っていたこと
    そして最近テレビで観て特に感じること。
    そう、身体的なタフさである。
    その読み、身体の使い方、運動量とどこのポジションでも出来る
    タイプのMFなのである。

    より高いレベルの選手に囲まれ、カペッロという最高クラスの監督に
    使われることによって中田は更に成長を遂げることが出来るだろう。

    私の彼に対する期待と予想はあまりに脳天気だろうか?
    彼のことは同じくサッカー好きの友人とよく話す。
    いつも結論は一緒だ。
    「彼は突然変異だ」というものである。
    まず身体が丈夫である。
    あのポジションであれだけのプレーをしながらあの怪我の少なさは
    驚異でさえある。
    「無事これ名馬」という言葉もあるが、例えば怪我をすれば
    リハビリに費やされるであろう時間が怪我をしなければそのまま
    成長のための時間として使われるのである。
    しかしそんなこと以上に私たちに”突然変異”と思わせるのは
    その精神的な強さ、意志の強さである。
    ”突然変異”とは日本人としては、この文化の中で育った人間と
    しては考えられないほどの素直さと強さを併せ持っている
    ということなのだ。

    彼がイタリアに行ったのは正解だろう。
    サッカーにおいては勿論だが、それ以上に彼という人間にとってもだ。
    私もどちらかと言えば主張するタイプの人間だが
    残念なことに彼ほどの才能も強さも持ち得なかった・・・・
    いや、才能はともかく人間としての強さはまだこれかれ何とでも
    なるのかも知れない。
    私のことはともかく、これからも中田秀寿を応援していこう。

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