• 98年6月13日(土)続き(1)

    駅前広場ではナイジェリアのサポ−ターが楽器を打ち鳴らし、踊り、歌いながら陽気に行進している。
    対戦相手のスペインのサポーターは駅前で目立った所は無い。
    先日のイタリアもそうだが経験豊富な強豪のサポーターよりはむしろアウトサイダー(ナイジェリアの場合そうとも言い切れないが)の方が駅前や中心街ではパワフルである。やはり出場出来ただけでも嬉しいというのがあるのだろう。

    軽く飯を食ってからトラム(路上電車みたいな物)に乗って競技場に着くとここでもやはりナイジェリアのサポーターが元気だ。
    私はこの旅行で日本戦は勿論だが最も見たかったカードがこのスペインvsナイジェリア戦なのだどちらも強豪でこの一次リーグの中でも屈指の好カードと言えよう。
    チケットの獲得は結構困難を予想されたが取り敢えず4人でメインゲート近くでダフ屋と交渉してみる。一枚900フラン位で話がまとまりそうだ。まあ、カードを考えると悪くない値段だろう。と、我々の後ろから何やら日本人が声を掛けてくる。
    「何だよこのチケットは俺達のだぞ」とか思っていると彼は思い掛けない事を言い出した。「もっと安く譲るからこっちに来い」と言うのだ。奴らにチケットを売っているところを見られたらやばいと言って少し離れた所に行って(と言っても5〜6mしか離れていない売店の裏)で彼はチケットの束を見せてくれた。
    何なんだこの束は?とかなり疑問を抱かせたが、そんな事はこの際不問だろう。
    結局定価350フランの席を800フランで買えたので良しとしよう
    しかも4人並びの席で買えたのは予想外の収穫であった。

    競技場の中に入るとその競技場”ラ・ボージョワール”の素晴らしさに感動した。我々の席もまた予想外に良かったが兎に角ピッチが近く客席を覆う綺麗な屋根とスペースをちゃんととってある席はさすが本場と思わせずにはいられないものであった。
    私はこの旅行で4試合を4つの競技場で観たが、この競技場こそが一番良かった。

    暫くすると選手達の練習が始まった。私達の席に近いサイドで練習していたのはナイジェリアである。とにかくでかい!
    そしてボールタッチが柔らかい。練習を見ただけでも日本の選手では絶対に勝て無さそうであるのが悲しいところだ。
    遠くに見えるスペインの選手もまた意外とごつい身体をしている
    そして何より落ち着いたオーラを出しているのが印象的だ。
    競技場の外ではあんなに元気だったナイジェリアのサポーターも実はそんなに数が居なかったのが競技場に入って初めて分かった。でも元気ではある。


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