• 98年6月13日(土)続き(2)

    いざ試合が始まると以外と両チームとも静かな立ち上がりだ。
    ナイジェリアあたりが立ち上がりからガンガン攻めていくのかと思ったがそうでも無い。スペインがややパスワークで優位に立つ。時折気の利いた動きでチャンスを作り出す。やはりスペインの方が役者は上と思わせる。
    そして先制点はやはりスペインに生まれる。
    イエロが我々の席に近い方のゴールに強力なFKを直接叩き込んだのだ。
    これで一時スペインの動きが活性化されたがすぐにナイジェリアが同点ゴールをたたき込み後半に望みを繋げる。
    前半を見た限りではスペインの試合巧者ぶりが目に付き、ナイジェリアは以外と組織でもまとまっている様に見えた。
    が、アトランタオリンピックで見せた奔放な、それでいて迫力のある突進はちょっと物足りなかった。 確かに力強さは在るのだが・・・

    後半に入るとすぐにラウールの芸術的なゴールが生まれ、スペインが再びリード。再びスペインが試合の流れを掴む。
    イエロ擁するスペインの堅守を考えるとこれで決まりかなと思われたが後半も20分を過ぎた辺りからナイジェリアの動きが良くなってきた。と言うよりスペインの足が止まってきた。もうこうなるとナイジェリアはやりたい放題である
    次から次へとオーバーラップをし、スペインのディフェンスラインを切り裂いて行く。同点、そして逆転は時間の問題に思われ、果たしてその通りになった。決して怯むことの無いその魅力的な攻撃サッカーに会場全体もナイジェリアコールに包まれる。それはスペインサポーターをも巻き込んで・・・

    好試合を観た後のふわふわとした高揚感はいつも良い物だ。
    この為にサッカーファンを続けているのかも知れない。
    そして勝ったナイジェリアサポーターのはしゃぎっぷりは実に気持ちがいい。
    出来る事なら明日の日本vsアルゼンチン戦の後、我々もこうしてはしゃいでいたいものだ。

    試合後の食事は駅からそう離れていない所でテレビの見れるレストランにした。
    先ずワインと此処、ナントの名物でもある生牡蛎を頼む。
    サイズは以外と大きめで食べ方は日本と同じでレモンを掛けて食べる。美味い!皿の上に乗っていた良く分からない
    飾りの海草を食べてみると味は全然無いのだがコリコリとした歯触りは悪くない。調子に乗って食べているとそれを見たウェイターは驚いてそれは食う物では無いと言う。
    顔にブツブツが出来るぞと冗談で脅す。
    まあ、そんな物は食べなくても美味い物なら沢山ある。他にも色々頼んでワインも色々と飲むと疲れが出たのかテレビを見ながらウトウトしてしまっていたらしい。
    丁度やっていたオランダvsベルギー戦のクライファートの退場シーンを見損ねてしまった。

    たっぷりと美味いワインと食事を楽しんだ頃、夜行列車の発車の時間となった。我々4人は明日の決戦に控え、それぞれのコンパートメントに別れ休息をとった。

    この時はまだ明日我が身に起こる事を予想だにしていなかったのは言うまでもない。 


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