■フランスW杯観戦旅行記■

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  • 98年6月14日(日)

    今日は言うまでもなく決戦の日である。
    我が日本代表がW杯にデビューする日である。
    その瞬間を見届ける為に爪に灯を灯すような緊縮財政生活を続け、金を貯めて遙々この地に来たのである。
    まあ、全く遊んでいない等とと言うつもりは無いが・・・

    そんな気の高ぶりがあった為だろうか、やや早めに寝台列車のベッドで目が覚めた。天気はそう悪くは無さそうだ。青空こそ見えないが雨が降り出す気配は感じられない。
    暫くすると同じコンパートメントの若い日本人のカップルが目を覚ましたようだ。話をすると日本を出たのは別々でナントで落ち合ったらしい。彼の方は昨日のスペインvsナイジェリア戦を観たらしいが彼女の方は出発が遅く、ナントでは一緒に飯を食っただけと言っていた。
    彼の方はかなりサッカー好きで以前にもサッカー観戦の為に何度かヨーロッパを訪れた事があるとの話、負けるなあ。

    ここで彼等に観戦チケットの事で日本では結構な騒ぎになっていると聞く。昨日会ったライター氏も同様の事を言っていたが私は騒ぎが起こる前に渡欧した為、今一ピンと来ない。
    取り敢えず彼等は既にチケットは確保しているとの話である。
    そんな話をしていると列車は決戦の地トゥールーズに着いた。

    私は彼等と別れて昨日一緒に観戦した人達を捜す。
    さすがに駅舎の中も駅前も日本人が山のように居る。
    駅前をきょろきょろしていると何やら日本のテレビ局の人が私にカメラとマイクを向ける。「チケットは持っていますか?」と聞いてくる。
    私は状況が良く分からず「これから受け取りに行くところです、大丈夫なんじゃないですか」と言ったらインタビュアーは期待外れといった顔で次の人に声を掛けていた。その声を掛けられた人はチケットが無い事をマイクに向かって嘆いていた。
    どうやら本当にチケットの問題はあるようだ。

    すぐに昨日一緒に行動をした二人組には会えた、もう一人のライター氏はツールーズに着くと慌ててチケットの引き渡し所に向かったとの話。
    あくまで緊張感の無い私は「じゃあ私もどっかに荷物を預けたら引き渡し所に行こう」と言って先ず荷物預かり所を探す。
    しかし見つけた所は一杯でもう預かれ無いと言う、他の場所も日曜日のため閉まっていたりする。
    「チケット先に取って来た方が良いんじゃない」と彼等のアドバイスに従って引換券をポケットから出そうと・・・無い。
    バッグを探しても無い。引き渡し所の地図に挟んでいた為、地図も一緒に無くしてしまったらしい。洒落にならん。
    ただ、大体の場所は覚えていたし、人が一杯居るだろうから何とか見つけることは出来るだろう、あとはパスポートを見せれば何とかなるだろうと言って引き渡し所を探す。
    ちょっとした勘違い等もあり、迷ったが何とか引き渡し所は見つかった。昨日、一緒に行動したライター氏が言っていた通りせこいホテルだった。(ライター氏は一昨日ツールーズで今夜のホテルの予約をし、ついでに引き渡し所の場所も確認していたのだ。さらに多くの旅行会社の引き渡し所が同ホテルであるとの話である)ホテルの入り口に立った時、何か嫌な感じがした。


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