フランスのペルピニヤンという国境に近い街の名前が車内で
放送された。私は「もう少し寝れるな」と思い、また眠りに
就こうとした時、車掌にたたき起こされ列車から降ろされた。
駅のホームを見るとどうやら列車の客は全員降ろされたようだ。
どうやらストライキの為この先には行けないとの話である。
私はその事実にうんざりしながら、もまた一つ話のネタが出来た
等と呑気に考えていた。
そして状況次第ではフランス国鉄のアバウトさの為に余っていた
列車パスを使ってパリ等、予定外の地から帰国の途につくことも
考えていたがそんな事は杞憂に終わった。
国境を越えるシャトルバスが手配されるようだ。
さすがスト慣れしていると感じさせる。
それでもバスが来るまでの数時間はかなり退屈であった。
バスに乗ってのピレネー越え、と言っても外れではあるが。
列車に乗って寝たままでは決して見ることは出来なかったので
災い転じて何とやら、早朝の国境越えをこの目で見ることが
出来ました。
シャトルバスはスペインの小さな駅で私を降ろし、そこからは
ローカル列車でバルセロナまで何のトラブルも無く無事到着。
スペイン入りしたらもっと風景は赤茶けた乾燥地のそれになるかと
予想していたが以外と緑もあってちょっと拍子抜け。
バルセロナ・サンツ駅の前は予想通りタクシー、バス乗り場以外は
これといった物は無い。が、近代的なビルも少なくないのが
今までとはちょっと違った印象を与える。
この辺りでは別に観たい物も無いので地下鉄でカタルーニャ広場に
行って、先ずは宿を探そう。
今日一日しか無いが此処バルセロナは以前から来たかった場所
なので早く荷物を預けて身軽になりたかったのだ。
駅からすぐ側の安宿を見つけ、泊まりたい旨を告げると掃除のため
一時間ほど待って欲しいと言う。