• 6月16日(火)続き(1)

    荷物を預けて近くの市場を覗きに行く。一時間などあっという間だろう。腹も減っているので食事もしてこよう。
    市場に入ると野菜、果物、肉、魚と有りとあらゆる物がある。
    野菜や果物の中には日本では売っていないような物もあり、時間さえあれば買って、自分で調理してみたいがたった一日ではどうしようもない。
    魚屋など氷を敷き詰めた上に色んな種類の魚が無造作に並べてあり日本に比べるとかなりアバウトである。
    それぞれ値段は書いてあるが、どの位の量での物なのか分からないので安いのか高いのかてんで分からないが、売り子の勢いの良さは万国共通のようだ。
    そして、気の良さも。「オラ」と挨拶したらおばちゃんがサクランボを一掴みくれたりもした。

    飯は市場の中で食うことにした。
    何を頼んで良いのか分からないので、「今朝バルセロナに着いた、これが最初の飯だ。今日一日しか居ないからバルセロナ・スペシャルで適当に宜しく」といった様な事を言って見繕って貰いビールと一緒に食った。イカのフライとかマリネみたいな物とか豆を煮た物をフランスパンと一緒に食ったがなかなか美味かった。
    ちょっと脂っこかったが何より量が多く安かった。上記のような食事で日本円で700円位か。

    腹一杯でホテルに戻ると部屋は用意できていた。
    何だか迷子になりそうなホテルだったが窓の外の風景は生活感があり、私好みである。
    部屋は狭いが清潔でベッドも悪くない。
    荷物を置いて早速サグラダ・ファミリアに向かうことにした。

    この旅行で一番の観光地っぽい所であろう。
    天気は快晴でとにかく暑い!地下鉄駅からの歩きが面倒になる程であったがとにかく入場料を払って中に入る。
    中は冷房が効いているのか、それとも石造りの為か涼しく快適である。土産物が売っているがあまり食指をそそられる物は無い。元々そういった類の物は買わない質なのだ。

    しかし、博物館はなかなか見応えがある。建物のミニチュアは勿論、ガウディ直筆のスケッチ等飽きる事は無い。
    一通り見終わって、本日のメインエベントとも言える塔に上るという作業に掛かろう。
    昨日、マルセイユで出会ったアベックの女性に是非とも上るべきだ。と力説されてしまったのだ。
    ちなみに彼女はスペインかぶれで、中でもバルセロナ好きだと言っていた。
    しかし、何と上りの階段は入り口が封鎖されていた。
    そこで仕方なく有料のエレベーターに乗って上った。
    上から見た景色は確かに素晴らしい!
    が、その窓はほぼ真下を見ることさえ出来、またその微妙な隙間は私の身体ならすり抜けることが出来そうな・・・
    そう、墜落することも十分に可能なのである。
    ここ暫く顔を覗かせることの無かった高所恐怖症がホンの僅かながらも顔を覗かせるには充分だった。
    塔の上をうろうろしているとどうも歩いて降りることが出来そうだ。登る時は心ならずもエレベーターを使う羽目になってしまったので、下る時ぐらいは歩いて降りよう。


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