• 98年6月14日(日)続き(4)

    スタンドに戻ると選手達はピッチで準備運動をしていた。
    日本もアルゼンチンも先発メンバーに意外性は全くと言って良い程無さそうだ。
    ウルトラスを中心として日本サポーターは速くもテンションを上げつつある。私にも興奮は移って来て鼓動が高まってくる。
    選手達が一旦引っ込むとスタンドをウェーブが何周も回る。
    スタンドに流れる音楽でアルゼンチンのポップスが流れた後には日本のポップスが・・・よりによって流れた音楽は安室奈美恵。
    スタンドからは失笑も・・・

    スタジアムに例のFIFAのテーマ曲が流れ、アルゼンチン代表と並んで日本代表の選手が入場してくると全身が痺れたような感覚が私を包む。本当にこの祭りに参加しているんだという喜びが実感として感じられる。そして”君が代の”斉唱。言葉になりません。

    試合開始のホイッスルで我に返った。
    予想外に慎重な立ち上がりのアルゼンチン、それに乗じて日本が攻め込む。が、そこいらはさすが強豪、ボールを回させても攻撃はさせない。アルゼンチンの攻撃に対しても比較的高いラインと体を張った守備できっちり押さえている。
    注目の中田も球際に強さを見せ、心強く感じられる。
    時折日本のFWにボールが行っても中山、城のツートップは相手DFに格の違いを見せつけられるだけで全く相手にならない。

    暫くすると日本のDFが嫌な動きを見せだした。
    DFラインが下がりだしたのだ。間違いなく井原はアルゼンチン攻撃陣に対してびびっている。
    すると中盤に出来たスペースを生かしベーロンを中心としてアルゼンチンのパスが回り出す。その早いタイミングに日本のDFはマークがずれ出す。そんな中ゴール前のバティステュータの前にボールがこぼれる。GK川口が飛び出す。その瞬間私の脳裏にバティが軽くボールを浮かせゴールに流し込む映像が見えたような気がした。実際はボールのスピードは予想通りだが私が想像したより低い弾道で私の近い方のゴールに見たくもないバティゴールが突き刺さった。
    日本DFの形が悪い形になったら案の定入ってしまったゴールだったので「やっぱり」と思いながらも全身の力が抜けてしまったのは言うまでもない。

    このゴールでアルゼンチンの動きは更に良くなり、日本のDFラインは更に引いてしまい、いつ追加点を奪われてもおかしくない状況となる。しかしそんな状態でもアルゼンチンはDFのオーバーラップはしてこない、あくまでも慎重だ。もし、ここでDF陣も攻撃参加していたら大量失点は間違いないものであっただろう。とにかくこの時間帯から前半をバティの1ゴールだけで済んだのは川口の好プレーもあったが最大の原因は開幕戦という事によるアルゼンチンの慎重さによるものであろう。

    後半に入ると日本も集中力を取り戻し、アルゼンチンの勢いもやや落ち着いてくる。
    ただ、日本に同点に追いつこうと言う気持ちより2点目を獲られないようにしようという気持ちの方が強いように感じられるのが不満だ。岡田監督も動かないし・・・・
    アルゼンチンはこの暑さもあって完全に流している。というより動きが良くない。
    選手のフィジカルコンディションは完全に日本が上だ。
    度々奈良橋が良いタイミングでオーバーラップを仕掛けるのだがボールが出ない。もっと使ってやれよ中田&名波。
    お決まりの終了15分前に中山に替わって呂比須を投入する、
    これにはかなり疑問。遅すぎってのもあるけど替えるなら中山じゃなく城だろう!ちょっとすると今度は相馬に替えて平野。
    この交代は悪くない。が、何で平野がサイドバックに居るんだ?
    お前はもっと前に居なけりゃ役に立たないだろうが!


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