それでもこの辺りから日本が攻勢に出る。ちゃんとサイドから崩しているのだが中が弱いしとにかくシュートが下手くそ!
ただ、ここで良いプレーを見せたのが中西。ストッパーのくせに果敢なオーバーラップを見せ、左サイドでアルゼンチンDF2人をぶち抜いたのにはびっくりした。
私はその時「自分で撃て!」って叫んだのに呂比須にパスをだして結局呂比須のシュートミスに終わってしまった。
あそこは強引に自分で撃って欲しかった。
他にも惜しいチャンスはあったが結局0−1のまま試合は終了してしまった。
0−1という数字は予想以上だったが結局アルゼンチンを本気にさせる事は出来なかったなというのが正直な感想だ。
守備はまあ良くやったが攻撃はカウンターの形さえ作れていないという・・・以前からの課題が全然進歩が無かったのが悔しかった。第一、あの工夫の無いFKは何だ、秘密練習では何をやっていたのだろう。
まあ、良くも悪くも現在の日本のサッカーの実力は100%出せた試合だったのではないだろうか。
混雑を避けるために試合終了のホイッスルが鳴ると私はすぐにスタジアムを後にした。
駅前で他の三人と合流する。ライター氏は結局チケットは確保出来ずオーロラビジョンで観戦したらしい。
他の三人はこの後、予定があるらしくすぐに別れてしまった。
彼等のお陰で楽しい時間が過ごせたことを感謝した。
私が乗る夜行列車の時間までは未だあるのでちょっと駅に行ってみると偶然昨夜の夜行列車で同じコンパートメントに乗っていた女性に声を掛けられた。私のチケットのことを心配してくれていたようだ。無事に観戦出来た事を伝えると喜んでくれた。彼女は「これからすぐに日本に帰るんです」と言ってホームに向かっていった。
時刻表を見るともうすぐマルセイユ行きの列車が到着するようだ。メールフレンドの女性は確かマルセイユのホテルに宿泊していると言っていたのでこの列車に乗るのかも知れないなと思いホームに行ってみる。
ちょうど彼女を見つけた時、列車は来た。一言二言しか喋れなかったが、どうやら彼女も無事スタジアムで観戦出来たらしい。何だか自分のことのように嬉しかった。
腹も減ったのでテレビのあるレストランを探して入るとそこは日本のサポーターの溜まり場のようになっていた。
飯だけは落ち着いて食いたかったので一人で隅の方で食ったが食事が終わるとちょうどクロアチアvsジャマイカの試合が始まったのでテレビに近い彼等の席に混ぜて貰った。
どうやら彼等は殆どがかなり熱心なサポーターなのだが競技場には入れなかったようで悔しがっていた。
改めて見ずららの幸運を感じてしまった。
テレビで見た限りではジャマイカは勿論クロアチアもさほど組織的には見えず日本にも勝つ可能性はあるように見えた。
彼等とひとしきりサッカー談義を咲かせていると隣の席にアルゼンチンのサポーターが座ったので「おめでとう」と英語で声を掛けてみるとどうやら彼等も英語は分かるようで日本も結構やるじゃないかといった事や日本人はやっぱり泣いているのかといった事を言って適当に喋っていたら列車の時間が近付いて来たので別れの挨拶に私が「4年後に日本でまた会おう」と言うと「お前は東京に住んでるのか?お前の家に泊めてくれ。E-MAIL出すからお前のアドレス教えてくれ」とか言って来たので取り敢えずアドレスを教えて別れた。
4年後彼等は本当に泊まりに来るのかなあ?
それまでにもう少し稼いで広い家に住めるようになろう。