• 6月15日(月)続き(1)

    暫くするとやや落ち着いてきて休み休みながらもスタジアムに辿り着くことが出来た。バスを使うという手もあるのだが本来私はバスが苦手なのである。こんな体調の時にバスに乗るなんて事はそれこそトドメを刺すような物である。
    スタジアムの周りのカフェでは真っ赤な顔をしたイングランドサポーターがたむろしている。
    中にはアオタン作っている人も何人か居る。
    こいつらがフーリガンとして暴れたりするのかなと思うとさすがに怖くて気軽に声を掛けたり出来ない。
    そして道にはチュニジアサポーターが歌を歌いながら行進している。
    しかしさすが地中海沿岸だ。こんな強烈な太陽は渡欧して初めての物である。正に期待通り。

    スタジアムの前に着くとさすがに凄い人の数だ。
    ここベロドロームの収容人員は多いのでチケットは何とかなるだろうとの考えとイングランドから沢山のサポーターが来ている為に厳しく、チケットの相場も上がっているのではという考えが交錯していた。
    現場には見るからにチケットは持っていなさそうなサポーターが数多く居る。
    近くで日本人と地元の老婆が交渉をしている。側によって話を聞くと老婆は1000フランからは決して下げないと言っている。日本人の男性はもう少し負けろと粘っているが決裂しそうである。そこで私が横から「私がその値段で買う」と言ってそのチケットを購入する事で話を着けた。
    体調のことも考え、多少高めでも確保しておきたかったのだ。
    更に試合の開始時間が近付くにつれチケットを持っていないサポーターが荒れ出すのを恐れたというのもあったのだ。
    だが、老婆は今現在はチケットを持っていない。もうすぐ娘が持って来ると言っている。
    彼女は英語が喋れないのだがここで助かったのが現場で会った何と日本語が喋れるフランス人アクセル氏である。
    彼はどうやら大会の関係者(?)らしく彼女との話の上で通訳をかって出てくれた。娘さんがチケットを持って来るまで結構時間があったがその間話し相手になってくれた。
    彼は合気道をやっており、毎年和歌山の合気道道場に稽古に行っている事とか、近いうちにパリに道場を開きたいと思っているといった事などを話し。また、チケットの到着が遅れたので「もし、チケットが手に入らないような事があれば私が持っている関係者のチケットを譲ってあげるから安心しなさい」とまで言ってくれました。結局暫くしてチケットは届いたし、彼も仕事があったので別れました。

    スタジアムは見えるのだが、どうやらゲートは正反対の方角にあるらしく結構歩いた。
    無事ゲートを通って入ったスタジアムはさすがにでかい!
    が、ホームスタンドにしか屋根は無くあまり近代的と言った感じはしなかった。ちょうどゴール裏、コーナーフラッグの辺りであまり良い席とは言えない。金網の向こうにはチュニジアのサポーターが陣取り、私の席のブロックを挟んで反対側にはイングランドサポーターが。私のブロックは両軍混在と言った感じだ。


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